母は何かというと、悔しいと申します。


入浴中に、浴用の椅子から立ち上がるとき、
アタクシが手を出して、母を持ち上げます。
そのときに、


悔しい!、こんな簡単なことが出来なくなる
なんて!!


手すりをつけても、一人での入浴は無理です
から、同じことになると存じます。



変形性膝関節炎のために、手を引くか、伝い
歩きでないと歩けません。
すると、


悔しいわ、なんで歩けなくなってしまったの
かしら。



首の回りや背中、さらに上あごまで、イボが
出来てしまい、特に、首は、汗疹のように、
痛痒くなるようで、


なんで、こんなに痒いの?


と聞かれて、正直に老人性イボだと言うと、


悔しい!家系的なものよね、親を恨むわ。


と申します。



一人で出来ない、歩けない、今までなかった
症状がある、それは老化からくるもの。

人は平等に誰でも年を取るのだから、素直に
それを受け入れられない母。


少々、情けない思いをしておりました。



ネットで見つけたサイトにアタクシが疑問に
思ったことに対する認知症の高齢者の心理を
書かれたブログを見つけました。


ひょっとして認知症?

認知症学会の専門医である笠間睦氏のブログ
からでございます。


徘徊について書かれた内容だったのですが、
その一部を読んで、なぜ、悔しいとわめくの
だろうと言う疑問が解決しました。


その中には、次のように書かれていました。


竹内孝仁先生(国際医療福祉大学大学院教授)
は、認知症のタイプを3タイプに分類しており
ます。
葛藤型、回帰型、遊離型の3つ。

葛藤型
老いた自分を受け入れることができず、かつ
ての若い自分に戻ろうとがんばるが、現実の
老いた自分を見せつけられ、葛藤が起きる。

回帰型
老いた自分を受け入れることができず、かつ
ての自分らしかったころに帰ることで、自分
を取り戻そうとする。

遊離型
老いた自分を受け入れることができず、現実
から遊離して自分の世界に閉じこもることで、
自分を保とうとする。



徘徊などの問題行動には、タイプ別の対応を
すればよいとのこと。


母は膝が悪く、歩けませんので、徘徊行動を
することはないと存じます。


その代り、言葉の暴力で気持ちを吐きだすと
いうことだろうと思われます。


なお、対応方法については、
三好春樹著「認知症介護─現場からの見方と
関わり方」という本を紹介されています。



全部を読み切っておりませんが、アタクシの
ように、母を追い詰めるような言葉をかけて
はいけないようでございます。


彼や彼女らは、現実の自分が、自分と感じら
れないから過去に帰っているのだ。
それなのに、その嫌な現実を押しつけられた
のでは反発するのも当然であろう。



見当識障害としての対応をしたほうがいいと
いうことでしょう。


こうやってお勉強をすると、やってならない
言ってはいけないことばかりをしている鬼娘
なんだなと反省します。