この頃の母がよく言うことは、

アタシは何をしたらいいか、わからないし、
考えられない。

考えなくてもええねん。何もしなくてもね。

すると、

じゃあ、ここで寝ているだけでいいのね。

そうや、横になっていれば、スタッフさんが
教えてくれるから、言う通りに動けばええの。

わかった、ここで横になっているだけでいい
のね。


今までの母は、何をどうするのか、わからない
ことが不安だったようです。

わからなくていい、考える必要はないと言うと
ホッとしたような表情になります。


人は、高齢になるにつれ体のさまざまな機能が
低下していきます。

運動機能や臓器の機能のほか、脳の機能も加齢
により衰えが出てきます。

脳の機能の中でも、とりわけ「認知機能」の
低下は日常生活に大きな影響を及ぼします。

認知機能とは、ものごとを正しく理解して
適切に実行するための機能のことです。

認知機能の分類方法にはいくつかの種類があり
ますが、一例として次の5つに分類する方法が
あります。

1. 記憶力

2. 言語能力

3. 判断力

4. 計算力

5. 遂行力


認知機能の種類とその特徴
(認知症ねっと)
より


母には、「ものごとを正しく理解して適切に
実行する」ことが難しくなってきているよう
です。

理解する前に、考えることが出来なくなりつつ
あるようです。

008

母は認知症の薬を飲んでいません。

東京の地域提携医の勧めで、困ったことを解決
するための薬を服用するだけにしました。

いまだに、認知症を完治する薬はなし。

ただ、症状を止めるだけの薬の開発はしている
ようです。