母のように、まだ、意志の疎通が出来ると、
作業作業療法のようなイベントは、本人の
意志を、重視されます。

母は、嫌なものは嫌という頑固なタイプ。

そういう場合は、スタッフさんは強制はしない
ようです。

あとは、家族からの要望があれば、連れ出して
くれます。

キャバリアのナナちゃんのお母さんは、家族の
要望から、毎回参加しています。

同じユニットからは、もう一人。

どうも血管性の認知症の方ですが、無表情で
あまり、言葉を発しないバンブー(苗字に竹
の文字がつきますので)さん。

しかし、娘さんが見えられると、表情が柔ら
かくなり、少しですが、微笑むときがあります。

このバンブーさんは、母と同郷の鶴岡市出身。

それに、若い頃、伯母と同じ地域の小学校の
先生だったそうです。


集団作業療法へは、アタクシが連れ出すので、
週に2回ほど。

そのときは、母がユニットに戻る際に、一緒に
帰ってきています。

同郷で、ご一緒しましょ。

無口なバンブーさんは、自らお話することは
ありません。

戻る前に、作業療養士さんがバンブーさんに
訊ねていました。

バンブーさん、お子さんは?

すると、指を1本。

お嬢さんなんですか?

ゆっくりと頭を縦に。

じゃあ、お嬢さんは鶴岡市に居るんですか?

頭を横に振るかと思いきや、机をトントンと
指で叩いて、

ここに、居る。


なんで?・・・・。

バンブーさんのなかでは、娘と一緒に暮らして
おられるのかもしれません。

母もそういう幻想があればいいんですけれど。

016


母は車椅子で、バンブーさんにはアタクシの
肩に手を置いて貰って、一緒に戻っています。

廊下を歩きながら、毎回、母に言います。

バンブーさんは、大山の小学校の先生やった
んよ。

まあ、じゃあ、かおちゃん(伯母の名前)と
同じところね。よろしくね。

母も、毎回、同じことを。

バンブーさんは、いつも、頭をコックリと。