母の施設(特別養護老人ホーム)では、集団
リハビリと称して、午後4時から1時間、希望
する入所者さんが集まり、それぞれが出来る
ことをやっています。

リハビリ?、今さら、何よ。

最初、母は嫌がっていました。

基本、施設側は、嫌がる入所者に対して、強制
することはありません。

アタクシとしては、ユニットから出ない母に、
ただ、二階から一階に下りるだけですが、
外へ出て欲しいのと、違う顔ぶれの入所者さん
と会って、話しをすることも脳の活性化になる
と思いました。

最大の理由は、母とエンドレステープな会話を
しているよりも、皆さんと一緒にいることで、
それを回避できることにあります。
そこで、アタクシが母と一緒に参加することに
しました。

最初は、塗り絵から。

美大に進学したかったという母でしたので、
塗り絵も絵画的でした。

認知症の進行は、こういうところに出てくる
ようです。

塗り絵は、次第にベタな色塗りとなり、それが、
母にもわかるのか、集団リハビリへ行くのを
嫌がるようになりました。


作業療養士さんの発案で、運針をすることに
なりました。

なんで、こんなことをアタシがやるのよっ!

と渋々やり、ものの10分ほどで、

アタシ、トイレへ行きたい!

と、やめたがることもありました。

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この頃は、参加自体が、週に一回か二回に
なったので、30分は出来るようになりました。

針に糸を通して、母に渡すと、毎回、

まあ、運針ね。小学校以来だわ。

と言って、猫の佑介君のお母さんを笑わせて
います。

やっと、3ヶ月かけて出来上がりました。

その間にも、目が揃わなくなりましたし、角を
上手く刺せなくなりました。

見えないところで、認知症は進行していました。

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こんなに目が揃ってないじゃあないの。
誰がやったの?

母が、申しました。


そう言う場合は、アタクシがやったとして、
母を持ち上げて、母親のアタシのほうが、
不器用な娘より上よ、と思わせるに限ります。