偽痛風で、1ヶ月近くベットに寝たきりだった
母でした。

その間、認知症が進むのではないかと危惧して
おりました。

以前の大腿骨骨折の際の入院時のような被害
妄想の症状は出ましたが、だんだんと痛みが
収まってくると、それがなくなりました。

なくなったと思うと、今度は自虐的なことを
言い出しました。


アタシ、養老院へ行こうか?

大正生まれの母には、老人ホームというより、
養老院なんでしょう。

しかし、母の言葉尻からの養老院には明るい
イメージがありません。


老人を収容,救護する施設。
民間施設としては日清戦争後から始められ、
公的機関としては1932年施行の救護法に基づき、
設置され、65歳以上の生活困窮者を収容、救護
した。
現在は老人ホームの名で制度化。

(コトバンクより)


行き場のない貧窮している老衰者が最終的に
収容される施設であること。

「養老院へ行く」ことを、身内や知人に知らせ
たくないのが、当時の人達。

そのとき、鬼娘のアタクシは言っちゃいました。

あー、現在では、養老院とは違うけれど。
ここはその養老院なんよ。

母の目が、一瞬、まん丸くなりました。

母とアタクシの間に、沈黙が流れましたが、
テレビの内容に話題を変えると、なんでもない
ような雰囲気になりました。

たぶん、すぐに忘れてしまっていると思った
のは、アタクシの思い過ごしでしょうか。

003

母に老人ホームの説明をしても、やぶへびに
なりそうなので、やめました。