母がお世話になっている施設(特別養護老人
ホーム)では、誕生日月になるとそれぞれの
希望を聞き、外食でお祝いして下さいます。

母は、昨年の11月中旬に入所しました。
そのときは、犬と一緒に入れるレストランに
M.ダックスのジローと行きました。


そこで、アタクシは母に希望を聞きました。

ママ、今月は11月なんよ。誕生日が来るやんか。
そのお祝いにランチに連れ出して下さるそう
なんよ。何が食べたい?

食べたいもの?、そんなもの、ないわよ。

にべもない返事でした。


ママは、海老が好きでしょーが。
にぎりがいい?、それとも、エビチリとか。

具体的に羅列してみると、首を傾げて考えて
答えました。

そうね、海老を茹でたのをポイッと口に・・・。

おっかさん、そんな簡単で難しいメニューは
無理や。お寿司の茹で海老でええやん。


母とのそんな会話を隣で聞いていたココちゃん
のお母さんが、言い出しました。

あたしは海老は嫌いよ。

そうそう、Iさんも11月生まれですから、外食
しましょうね。何がいいですか?

ユニットリーダーさんが聞くと、すかさず、

あたしは、肉よ!
向こう側が見えない肉がいいわ。


ココちゃんのお母さんも、母も、認知症とは
言え、はっきりと食べたいものを表現するのに
驚きました。

二人とも、素材そのものをイメージしており、
凝ったメニューではありません。

ココちゃんのお母さんはステーキとメニューが
ありますが、母の場合は・・・。

そこで、思い付きました。

ママ、海老フライはどない?
パパが大好きだったでしょ。

すると、母が頷きました。


外食に連れ出して下さっても、すぐに忘れて
しまう母。

その一瞬が、美味しい、楽しいだけでもいい
んですよ。

ユニットリーダーさんが、いつも口に出して
言われること。
ほんまに頭が下がる思いがします。

006


昨日は、リハビリに付き合いました。

午前中に、ユニットの皆さんとみかん狩りに
行ったとのことでした。

酸っぱいものがダメになった母。

聞いてみると、

美味しいって召しあがってましたよ。