変われば変わるもので、認知症初期の頃は、
金銭に関する話をすると、アタクシは泥棒扱い
されました。

ありとあらゆる物に対しての、所有欲というか、
物欲というか、とても激しいものがありました。

過去の母の実家の相続に関しても、蒸し返して

あの家はアタシの物だったんだから。

と、何度も言い張っていました。

さらに、お気に入りの指輪と着物は、あの世に
持って行くんだと申しておりましたしね。

母の言う通りの物を、お棺に入れるとしたら、
蓋が閉まらず、特注にするか二段にするかと
なったことでしょう。


ところが、認知症中期後半から、物欲もなく、
金銭もすべてお任せというようになりました。

引っ越し準備で、殆ど処分していると言っても

アタシは、今、ここにあるものだけいいから。

と。


で、今日は、母に現状の金銭の流れを説明して
みました。

ママの施設利用料は、Yちゃん(長兄)が、全額
支払ってるんよ。

あたしは無職やから、ママの年金を生活費に
して暮らせとYちゃんは言ってるんよ。

それでいいんじゃあない。
Yちゃんは、男だもん、当たり前よ。

おっかさん、当たり前とあっさりと言うもん
なんや。


アタクシは、母に畳みかけて申しました。

あたしの年金が満額支給になるには、あと3年
かかるんよ。
だから、ママには3年は、生きて貰わないと。

あら、3年位、アタシ、生きるわよ。

ひぇー、生きる気満々。

3年ねえ。その前にアタクシが倒れそう・・・。

004

今日は面会へ行ってみると、入浴中でした。

入浴を嫌がりませんか?と聞くと、スタッフ
さんは、怪訝な表情で、言いました。

そうでもありませんよ。
すんなり、入浴されて、気持ちがいいと言われ
ますよ。

おっかさん、お風呂なんか、入りたくないと
言ってたのは、口だけなんやね。