こういうところはね、儲けるためになかなか、
退院させないのよ。

母は目を吊り上げて、言い放ちました。

はぁ?!・・・・

いつものように、母の部屋で話していると、
なんで帰ることが出来ないのかとアタクシに
噛みついてきました。

体調がよろしいんでしょうね。
元気になると、このザマ・・・。

帰りたいコールには、アタクシものらりくらり、
やれ、医者が、猛暑が、と理由をこじつけて
います。


今日は、母も虫の居所が悪いのか、やけに、
突っかかってきました。

なんで、家に帰ることが出来ないのよっ!

車椅子で、どうやって、あの家で動けるんや。
段差のあるところでは危ないんよ。

アタシが何も出来ないって言うわけね。


ムカついて、そうや!と叫びそうになるのを
グッと我慢、感情を押し殺して、

今度、転倒したら、右側の大腿骨を折るかも
しれへん。
そうしたら、また、入院ってことになるんよ。

母は、しかめっ面をしました。

アタクシは、さらに畳み掛けました。


今もだけれど、24時間ママを看ないとアカン
ねん。あたしが一人で24時間も看れへんでしょ。

だから、ここで、看て貰ってるんよ。


虫の居所がいいと、母は、

アナタもここに来るのは大変なんだからね、
適当に放ってくれていいのよ。

と、殊勝なことを申すのですが。


こんなところに入るには、大変なんよ!
と、言いそうになりました。

おっかさん、あたしにも老後があるねんで。
アータと一緒に生涯を終えるなんて、とんでも
ないこと。

そのためにも、施設で看て貰うんやから。

わかってないんだろうなぁ・・・・

004

アルツハイマーに利く薬の開発が進められて
いるようです。

死ぬまで、シャンとして生きるか、「どちら
さん?」とボケて亡くなるか。

長生きもいいけれど、アタクシは、長生きを
しなくてもいいと思ってしまいます。