母の居る特養(特別養護老人ホーム)では、ほぼ、
毎日、午後4時から集団リハビリをしています。

アタクシは、猫の佑介君のママからお誘いを
受けました。

折り紙だったら、お母様も出来るでしょうから、
いかがですか?

母と同じユニットのキャバリエのナナちゃんの
お母さんも折り紙をされているとのこと。

少し身体が不自由なナナちゃんのお母さんが
出来るのなら、元幼稚園教諭の母が出来ない
ことはないと思いました。

そのときまでは・・・。


集団リハビリでは、日によってボランティア
の講師が来てくださり、クラフト教室がある
そうな。

週に一度は、お料理実習もあるのだそうです。

アタクシが母と一緒に参加した日は、好きな
こと、やりたいことをやるということでした。

編み物をする人もいれば、文字を書く練習を
している人もいたり、全く何もせず、ただ、
見ているだけの人もいました。


ナナちゃんのお母さんは、前回の続きで傘を
折り始めました。

折り紙は、6月にちなんで、梅雨に関係する
ものを折っているのだそうな。

ママ、何を折りたい?

と、聞くと、素っ気なく返答が・・・。

アタシは、何もしたくないわ。

そんなこと言わずに、昔は得意だったでしょ。

昔はね、折り紙なんて、忘れちゃったわよ。


全くやる気のない母に、紫陽花の花を一緒に
折ること提案しました。

しかし、折り方のコピーを見ても、アタクシ
自身がわからない・・・。

作業療養士さんに聞きながら、折れるように
なりました。

すると、母が横から申しました。

貸してごらんなさい。やってあげるから。

なんだ、出来るんやないの。
最初からやればいいのに。

渡すと、折ることは折るのですが、見本通り
ではなく、やたらめったらにやっていました。

母は本当に忘れてしまっている上に、直前の
折り方も忘れるというか、覚えられないという
ことがわかりました。

アタクシにはショックでした。
もう少し出来ると思っていましたから。


そこで、母に全面的に任せるのではなく、母の
プライドを傷をつけないように、手を添える
感じでやりました。

母には紫陽花の花の部分をと思い、そこまでを
折っていると、またもや、申しました。

手伝うわよ。アナタは不器用な子なんだから。

アタクシはそう言われて育ちました。
実際、ほんまに不器用でございました。

学生時代、家庭科の宿題はすべて母にやって
貰っておりましたもの。


さっき、やったことが、ほんとに全部出来ない。

もう、一人では出来ない・・・。

これが、現実なんだと実感致しました。

007

白い方を見せて折るのだと説明しても、母は
角を全部折ってしまうのです。

ユニットで、折り紙による輪つなぎを作って
いるのですが、それも、どう作るかわからなく
なっているようです。

エンドレスな、無意味な会話で1時間過ごす
ならば、週に一度、一緒に折り紙をした方が
母の脳にはいいのかもしれません。

005


昔、母が描いた絵です。