母のところへ行った帰りに、猫のユニットに
いるSさんの居室に伺いました。

3年前に持病が悪化、一人暮らしが厳しくなり、
当時、8歳の猫の佑介君を連れ入居されました。

この特養(特別養護老人ホーム)が「犬や猫と
最期まで暮らせる老人ホーム」としてマスコミ
に取り上げるられる際には、いつも、Sさんと
佑介君が登場します。

yusuke

(※佑介君専用の枕。Sさんと枕を並べて寝る
そうです。)


居室は、これが老人ホームの一室かと見紛う
ばかりの、色んなものが雑多に置かれている
普通の部屋。

70歳を少し越えておられるのですが、認知症も
なく、しっかりされている方です。

私はね、子供がいないんですよ。
だから、足が悪くなって、一人暮らしが無理と
わかったとき、施設に入ることを決心したのよ。

そうおっしゃるSさん。


アタクシも母があの世に逝ったら、早い時期に
「施設へ入所」を考えております。

母のように、デイは嫌だ、ショートなんか、
とんでもないと頑として応じないという状態に
なる前に、どこか、お世話になろうかと思って
いるんですよ。

そうね、そのほうがいいと思うわ。

でもね、ここに居て、何をするか?
重要な問題なのよ。
趣味がないと、過ごせないわね。

絵を描いたり、端切れで小物を作ったりして
いるそうで、アタクシも一つ頂きました。


003


端切れといえば、母の着物の端切れもあるし、
先日、処分した着物のうち、何枚かをとって
あるので、それを、Sさんに差し上げようと、
思いました。

そこで、着物のまま持ってきて、その場で、
解いてもいいかと聞いたところ、大歓迎との
こと。

週末に、午前中に母のところへ行き、午後から
Sさんのところへと予定しています。


あら、佑介君は?と探すと、ちゃんとSさんの
顔が見える場所で香箱座りしていました。

002

母はアタクシの顔を見た途端に、申しました。

まあ、アナタ、来てくれたのね。
これで、アタシ、帰れるわ。

すると、お隣のKさんが、すかさず、

えーっ、帰るって、いなくなっちゃうの?
そんなの、寂しくて、嫌だわ。

で、アタクシ、これ、幸いで母の出端を折って
しまいました。

Kさん、大丈夫ですよ。
母も、今日はここでお泊りですから。

そういうことにしておくわ。

ですと・・・・。
相変わらず、勝気な母です。