施設の一階ホールを喫茶店に見立てて、自分の
食べたいもの、好きなものを買って、メニュー
にある飲み物を注文する。

母はパン類の中からドーナッツを選びました。

あたくしは、まだお昼をたべていなかったので、
チーズの入ったクルミパンを買いました。


お金を払ってお買い物をするなど、これも脳の
活性化の一つなんでしょう。

このイベントへの参加は、アタクシは初めてで
ございました。

カフェラテを飲みつつ、母が申しました。

家の方は、変わりないの?

変わりないのって、あたし、一人やからね。
何も変わるものもあらへんよ。


ふと、決めかかった家の売却をキャンセルに
なったことを話しておこうと思いました。

なるべく、わかりやすくをモットーに話した
つもりが、母には伝わらず、

いいのよ。アナタの好きなようにして。
もう、アタシ、どんな家だったかも忘れたし。

えっ?!、忘れちゃったけれど、家には帰り
たいっつーわけなんや。

ただ気ままに生活がしたい=家に帰りたい、
ってことかいな。


アタシは何をしていいかもわからないから、
アナタにお任せするから。

ママ、一つだけ、お任せ出来ないことがある
んよ。
それはね、家を売る際には、委任状が必要で、
それも、ママの直筆の署名がいるねん。
そのときは、お願いや。

それを聞いた母は、

なんだか、侘しい話で悲しくなった。


少し、言い聞かせ過ぎたかもしれません。

しかし、いざというとき、司法書士の前で、
「アタシは家を売るなんて聞いてませんよ。」
と言いかねませんので。

「家を売る。」と連呼するのも、母にとって
寂しくなることかもしれませんね。

せっかくのお茶を台無しにした鬼娘でした。

002

春一番から数日のこの頃、春二番、春三番と
強風がよく吹き荒れています。

木造の我が家、強風でも揺れるんです。

揺れると思うのは、母がいなくてよかったと
いうこと。

何かあっても、一人で飛び出せるからです。