認知症の初期のころ、母の通院の付添いで、
出かける際、おしゃれ着ではないのですが、
外出着を着ていました。

車の横に乗った母が、繁々とアタクシを見て
申しました。

アナタばっかり、新しいいい物を着て。

すでにその頃、無職だったので、新しいもの
は一切買わずにいましたのに。

認知症の周辺症状なんでしょうね、

母は僻みっぽくなり、何かにつけて、嫌味を
言うようになりました。


アタシなんか、ほっておいて、お友達と外で
美味しいものを食べてきてもいいのよ。

これを、真に受けて実行すると、拗ねるし、
僻むし、嫌味タラタラ。

母と一緒であろうとなかろうと、外出の時は、
殆ど、ポロシャツに綿パンというスタイル。

あら、それ、見たことないわ。

と申しませんので。

そういうわりには、母にデイやショート用に
と買っても、もったいないと言って着ません。

じゃあ、いつ、着るんじゃい!!

着ないうちに、死んじゃうよ、とアタクシは、
無理やり着せていました。


先日のことでございます。

兄が使っていない、プラスチックで安価の、
老眼鏡をアタクシにと病院へ持ってきました。

すると、目ざとい母は、興味深々。

壊れにくい、安い老眼鏡がいっぱいあると、
言うてたから、いつか頂戴ねと言うたんよ。

母はその老眼鏡をかけてみると、

意外によく見えるわね。

この場合、じゃあ、使ってねと置いて帰った
ほうがご機嫌になるのは間違いございません。

アタクシがかけて、ちょうどなんですから、
母にはあまりよく見えていないはず。

子供と一緒で、ちょっと不便でも、欲しい。

大事にしている老眼鏡をいちいち、メガネの
ケースから出して使うより、それこそ、便利
なのだからと、置いて帰りました。

翌日、使っているかと思いきや、やっぱり、
どこにもなく、探すと歯ブラシを入れている
ケースの中に入っていました。

新しい物への好奇心や物への執着心があり、
これは、お迎えはずっと先やとガックリぽん。

013

今日は晦日。

毎月朔日は、仏壇、神棚、祭壇の拭き掃除を
する日。

明日は出かけるので、午前中にしました。

ついでに、母のベットサイドも拭き掃除。
置いてあるぬいぐるみに掃除機をかけようと
して、そうだったと思い出しました。

犬のぬいぐるみに挟んだもの。

年末のショートがクリスマス期間だったので、
施設でケーキが出たらしいのです。

ケーキの上に飾られていたのでしょうね。

バックのなかに、ティッシュが丸まっていた
ので、棄てようとしたとき、見つけました。

母が可愛いからと取っておいたのでしょう。

せっかく、取っておいたもの。

置き場がなかったので、ぬいぐるみのリボンに。