まあ、こんな可愛いお嬢さん!!

昨日、母のショートのお迎えに行ったところ、
共有スペースで、母を含めた三人で和やかに、
おしゃべりをしていました。

施設に入ってきたアタクシを母が見つけて、
他の方に、娘ですのと紹介しました。

そのうちの一人が、すっと立ち上がり、声を
かけてくれたのです。

すると、その方、そのフレーズがお気に召し
たのか、何度も何度もおっしゃる。
そりゃ、60歳のアタクシも、可愛いと言われ、
嫌な気はしません。
例え、認知症のお婆様からでもあってもね。

元来の性格が、優しい方なんですね。

母は、認知症になっても、初対面の人には、
まず居丈高に人を見下すような態度や言葉を
使い、自分にとり、いい人だと思うとコロッ
と手のひら返し。


これから、書類にサインするから待っててや。

スタッフさんに期間中のことを伺い、書類に
サインをしている間、また、三人の老婆は、
おしゃべりをしていました。

耳ダンボで聞いていると、やはり、お互いの
話を無視した認知症特有の会話。

それぞれが違うことを言っているのに会話と
して成り立つ不思議な世界。


さあ、済んだから帰りましょうとしたとき、
スタッフさんが、母の髪のゴムがないことに、
気が付きました。

あれ?、ゴムをどうしたのでしょうね。
ひょっとして、バックに入れてあるかもね。
ちょっと開けますね。

バックのなかには、ゴムもピンもありません
でした。

すると、母の目が三角になり、怒った口調で
言い出しました。

何よ!人を泥棒扱いして!!

そして、母は、ほかの二人に言ってました。

何故、バックを開けさせたかわかる?

しかし、そこにいたほかの老女は全くそれに
反応しませんでした。
現況を把握できていなかったのでしょうね。
よかった。

怒り心頭の母。ついには、

アタシ、もう、ここへは絶対来ないからね!

ママ、それでは、困るんよ。
あたしは、甲状腺のガンだし、Yちゃん(兄の
こと)は胃がんで手術するんだって、この間、
ママに報告に来たやん。そのときは、また、
ここにお世話にならんとアカンねんよ。

そういうと、急にシュンとして、肩が落ち、
母は小さくなりました。

車椅子を押してくれていたスタッフさんと、
やれやれと、顔を見合わせてしまいました。


帰り際、スタッフさんから言われました。

また、来週、お待ちしていますよ。

はい、また、よろしくお願いします。


ショートから帰宅するとヨタヨタと伝い歩き
だった母が、シャンとして、ポジショニング
バーに掴まって歩いています。

失禁もありませんし、ベン君もれはあるもの
の、シーツにつくほどではありません。

帰宅後に受けた週一の往診。先生の一言。

リハビリで絶好調ですね!

絶好調でなくて、いいんですけど。
鬼娘は、ショートから母が帰宅する度にその
元気さが恨めしく思うのです。

002

母は保育科の学校へ通っているとき、ピアノ
の時間より、美術の時間のほうが好きだった
と申しておりました。

このカレンダーを作成したときの母の気分は、
上々だったのでしょうね。