「口裂け女はいる!」
多分、介護をされた方、現在されている方の殆どが出会っていると存じます。

あたくしは、「口裂け女」だと思いましたが、
ある先輩は、映画「エクソシスト」に出てくるような悪魔だと表現されました。



5日間の入院から帰宅した母が、帰宅直後にまた、発作を起こしました。

まず、過呼吸。
そして、寒気でございました。

寒い、寒い、なんでもいいからかけて

と羽根布団のお掛けの他に、毛布などをかけましたが、
それでも、寒いと申します。

寒いって言ってるのよ!なんで、こんな重いものがかけてあるの!!

と毛布を足でけっ飛ばしました。

アタシ、死んじゃいそう・・・

ダウンコートなら軽いかもしれないと思い、母に掛けようとしたとき、
フワッと手を離れて、母の顔に落ちてしまいました。

謝りながら、コートを母の顔から外したときに


アナタ、アタシを殺そうとしたわねえ・・・・。

と言ったその顔が・・・・


目が吊りあがり、殺そうとしたわねえ・・・・と
ニタリと笑った口元が大きく裂けていました。

その顔は、母のいつもの顔ではなく、この世のものとは思えませんでした。

大きく裂けた口元は、また過呼吸でヒューヒューと苦しそうになってきました。


この様な発作は日に何度もあり、主治医に電話で問い合わせたところ、
「死への恐怖のパニック障害」でしょうとのこと。

たまたま、定例の健診がありましたので、デパス錠の処方を受け、
お薬を飲ませていくうちにそのような症状は消えていきました。

これで、わかったのは、
ブーケの火葬が母にショックを与えたこと。

葬儀には参列させないほうがいいということ。

当時、入院したとき、個室がいいと選択したのですが、
むしろ、同室の人との会話があったほうがよかった
ということでした。

あ、現在は、病院側から、今度入院されるときは、
個室にしてくださいと言い渡されてますけど。

当時、ネット上で
この悪魔のような、この世のものとは思えない母を見て
ショックを受けたと書いたとき、
先に、お母様を見送った先輩から

大丈夫、最後は、好々婆になるから

と励まされたことが、今の介護の光明にもなっております。