春はタケノコ。
母は昔、八百屋にタケノコが出たら、電話を
くれと言っていたほどの無類のタケノコ好き、
でした。

「でした」というのは、昨日のことです。

鉢植えの山椒に木に見事な葉が育ちました。

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料理嫌いのアタクシとて、山椒の葉を見て、
無性にタケノコが食べたくなりました。

そこで八百屋さんを覗くと、茹でタケノコが
ありました。

翌日はタケノコご飯を作るにしても、穂先は
若竹汁に、柔らかめのところは夕食のオカズ
の一品にと作りました。

そして、鉢植えの山椒の木から芽を摘んで、
タケノコの煮物の上にのせて出しました。

タケノコ大好きな母だから、さぞかし喜んで
くれるのものと大いに期待しました。

ところが、それを見ても、若竹汁を飲んでも
何の反応もありません。

八百屋さんで売っていた野菜てんぷらには、

これ、美味しいわね。

と申しました。

昨年のタケノコの頃は、母は言ってました。

アタシ、毎日、タケノコご飯がいいわ!


認知症の進行って、こういうことなんですね。

ま、いいや。
あまり上手く作れないお料理。
子供の頃によく作ってくれたタケノコ入りの
八宝菜の味に、昨年は近づかなくて苦労した
けれど。
タケノコの味噌煮もいまひとつだったしね。

来る20日は、母方の祖母の命日。
母のタケノコ好きは、祖母からの流れ。
この日にもう一度、タケノコご飯を作って、
今年のタケノコはお終い!!

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タケノコ尽くし。
でも、感想はありませんでした。

食事をしたことを忘れるということは、内容も
忘れるからでしょうか。