デイの送迎車が来る時刻になるとアタクシは
インターフォンのカメラを注視。
車が玄関先に着く前に、ドアを開けないと、
母は機嫌が悪くなります。
母にとっては、外で迎えを待つのが当然だと
言う考えがあるからです。

ですから、夕方に母が帰宅する際には、先に
玄関を出てお迎えをしないとご機嫌斜め。

従姉はそこまで母に気を遣わなくてもと言う
のですが、そうすることで、ご機嫌であれば
アタクシにストレスがかかることがなくなる
からです。

とにかく、デイの朝は、玄関の外へ母を出す
事が先決。
さもないと仔羊にならないからでございます。

さて、今朝は「デイへ行くから」と言っても
とても素直で、アタクシは拍子抜け。
と、思っていたら、さにあらず。

支度が済んだところで、母が申しました。

アタシ、幾つになったの?

90歳だと聞くと、

そんな年寄りに出掛けろっていうのは、どう
なの?

運動をしないと寝たきりになると言うと、

寝たきりになりたいのよ。

寝たきりになりたい理由が理由でした。

寝たきりになれば、死ぬでしょ。

何を言ってんねん!!
寝たきりになると死ぬんだったら、施設待ち
52万人なんてならへんよ。
アータさ、胸が押されて苦しいって言うけど、
ほんまもんの病気やったら、こんなところに
居てへんよ。
センターには看護師さんがいはるから、診て
貰うとええよ。あたしより親切やしね。

アタクシが捲し立てていると、ピンポン!!

よかった、今朝は母のお気に入りの濱口君。

早速、濱口君に支えて貰いながら、母が言い
ました。

助かるのよ、アナタが来てくれて。
アタシ、行くところがないでしょ。
この子といると喧嘩ばかりするから。

濱口君が言いました。

喧嘩が出来る相手がいるっていいことです。

そして、アタクシだけに聞こえるように、

元気いっぱいですね。よかったです。

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ご近所様の海棠